AGAとは何？【早めの治療が大切な理由】

2024年9月10日

AGA（男性型脱毛症）は、日本の男性の約30%が経験する一般的な脱毛症です。しかし、AGAは進行性の病気であり、早めの治療が必要不可欠です。本記事では、AGAのメカニズムや進行パターン、そして治療方法について詳しく解説します。さらに、なぜ早期治療が重要なのか、その理由についても触れていきます。

AGAとは？

AGA（男性型脱毛症）は、進行性の脱毛症で、主に額の生え際や頭頂部から髪が薄くなっていくのが特徴です。「AGA」という名称は、英語の 「Androgenetic Alopecia」 の略で、「男性ホルモン性脱毛症」という意味を持ちます。

AGAの歴史

AGAの歴史は古く、紀元前から脱毛症に悩む記述が存在していますが、現在のような形で治療が始まったのは20世紀後半です。男性ホルモン（テストステロン）が5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン（DHT）に変換されることで毛根が弱まり、結果として脱毛が進行します。

AGAという言葉は古くから存在しており、遺伝や加齢による自然な現象と考えられてきました。しかし、1988年に米国でミノキシジルが発毛剤として承認されたことを皮切りに、AGAは治療可能な病気として広く認識されるようになりました。1997年に米国でフィナステリド（プロペシア錠）がAGA治療薬として承認されました。これにより、「治療不可能な不治の病」という認識が変わり、1990年代以降、AGAの治療が普及し始めました。

日本でも1999年にミノキシジル、2005年にフィナステリドが承認され、AGA治療が本格化しました。

日本におけるAGAの発症状況

日本人男性の約30%（約1260万人）がAGAに悩んでいるとされ、特に40代以降でその割合が高くなります。年齢別の割合は以下の通りです。

AGAの年齢別割合

20代：10%
30代：20%
40代：30%
50代：40%以上

これらのデータから、AGAは加齢と共に進行しやすいことがわかります【「男性型脱毛症に関する疫学的研究」Annals of Dermatology, 2017】。

AGAの進行パターン

AGAにはいくつかの進行パターンがありますが、主に以下の3つの型に分類されます。

M型（前頭部の生え際が後退する）
M字型の進行は、前頭部の両側から生え際が後退する形で始まります。日本人男性の約50%がこのタイプで発症するとされています【「日本におけるAGAの進行パターン」Journal of Dermatology, 2020】。
U型（前頭部全体が薄くなる）
U字型の進行は、額全体の生え際が徐々に後退し、頭頂部にかけて薄毛が広がるタイプです。約30%の男性がこのパターンを経験します【「日本におけるAGAの進行パターン」Journal of Dermatology, 2020】。
O型（頭頂部が薄くなる）
頭頂部から薄毛が始まり、徐々に範囲が広がるタイプで、約20%の男性がO字型で進行します【「日本におけるAGAの進行パターン」Journal of Dermatology, 2020】。

最終的には、後頭部と側頭部の髪が残り、他の部分は薄毛になるのが一般的な進行です。

髪の毛の成長サイクルとAGAの影響

正常な髪の毛のサイクルには、成長期、退行期、休止期があります。AGAでは、このサイクルに異常が生じ、特に成長期が短縮され、髪が十分に成長する前に抜けてしまいます。この結果、髪が細く短くなり、やがて新しい髪が生えなくなるという現象が起こります。成長期が通常の2～6年から数ヶ月～1年程度に短縮され、薄毛が急速に進行します【「毛周期の異常とAGAの関連性」Journal of Dermatology, 2020】。

AGAを治療する方法

AGAの治療には、薬物療法、メソセラピー、自毛植毛などがあります。それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。

1. 薬物療法

外用薬（ミノキシジル）
ミノキシジルは頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けることで発毛を促します。臨床試験では、6ヶ月の使用で約60%の患者が発毛を実感しています【「ミノキシジルの発毛効果に関する臨床試験」Journal of Cosmetic Dermatology, 2018】。
費用：月額約5,000円～10,000円
内服薬（フィナステリド、デュタステリド）
これらの薬は、5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑制します。1年間の使用で、約80%の患者で脱毛の進行が抑制され、約60%で発毛が確認されています【「フィナステリドおよびデュタステリドの脱毛抑制効果」Journal of Clinical Endocrinology, 2019】。
費用：月額約7,000円～15,000円

2. メソセラピー

頭皮に直接栄養素や成長因子を注入する治療法です。発毛効果が見られるケースが約70%に達するとされています【「メソセラピーによる発毛治療の有効性」Aesthetic Surgery Journal, 2020】。
費用：1回約30,000円～100,000円（施術の内容やクリニックにより異なる）

3. 自毛植毛

自毛植毛は、後頭部や側頭部から採取した健康な毛髪を薄毛部分に移植する方法です。植毛した髪は通常、半永久的に生え続けるとされています【「自毛植毛の効果と長期的な結果」Hair Transplantation Review, 2021】。

日本での費用
約500,000円～1,500,000円。植毛する毛髪の本数やクリニックによって異なります。
トルコなど海外での費用
約300,000円～800,000円。トルコは安価で高品質な治療を提供することで有名です【「トルコにおける自毛植毛の費用と成功率」International Journal of Hair Restoration, 2019】。