飲酒と薄毛の関係についての解説

2024年6月5日

お酒を飲むと薄毛が進行してしまうのか？
血行が良くなるため、むしろお酒を飲んだ方が良いのではないか？

飲酒と薄毛の関係については様々な意見がありますが、間違った情報を正しいと認識してしまうと、薄毛の進行を助長する可能性があります。

薄毛の研究を続けてきた私が、飲酒と薄毛の関係について詳しく解説します。

この記事を読むことで、薄毛の進行を予防したいと考えている方は、お酒とどのように向き合うべきかを知ることができるでしょう。

飲酒が薄毛に与える影響

血行に対する影響

一般的に、適度な飲酒は血行を良くする効果があると言われています。血行が良くなることで、頭皮への血流も増加し、髪の毛の成長を促進する可能性があります。

しかし、過度の飲酒は逆効果です。アルコールの摂取により利尿作用が高まり、体が脱水状態になります。脱水状態になると血液の流れが悪くなり、結果的に血行不良を引き起こす恐れがあります。

肝臓への負担と栄養素の吸収

アルコールを摂取すると、肝臓が解毒のために働きます。過度の飲酒は肝臓に過剰な負担をかけ、肝機能の低下を招く可能性があります。肝臓は体内の毒素を処理し、栄養素の代謝を行う重要な臓器です。肝機能が低下すると、髪の成長に必要な栄養素が頭皮に十分に届かなくなる可能性があります。

また、アルコールを分解する際にタンパク質が使われます。髪の毛を構成するケラチンはタンパク質からできているため、これにより髪の毛を構成するタンパク質が不足するリスクがあります。さらに、アルコールは胃腸の機能にも悪影響を及ぼし、髪の成長に必要な栄養素の吸収を妨げる可能性があります。

ホルモンバランスへの影響

アルコールの過剰摂取はホルモンバランスにも影響を与えます。特に、男性ホルモン（テストステロン）の代謝が乱れることで、DHT（ジヒドロテストステロン）の増加を引き起こす可能性があります。DHTは毛根に悪影響を与え、薄毛の進行を促進する原因となります。

AGA（男性型脱毛症）は、男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が結合することでDHTが生成され、このDHTが毛嚢に作用して髪の衰えを促し、結果的に髪が抜けやすくなる状態です。つまり、DHTが増えると薄毛の進行が進んでしまいます。

睡眠の質の低下

飲酒は睡眠の質を低下させることが知られています。睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の毛の生成や成長サイクルが乱れる可能性があります。

適度な飲酒の重要性

飲酒量が多いほど、薄毛のリスクが高まるとされていますが、適度な飲酒は必ずしも薄毛を引き起こすわけではありません。

適度な飲酒量は1日あたり平均純アルコールで約20g程度とされており、これはビール中瓶1本（500ml）、ウイスキー・ブランデーダブル（60ml）、ワイン1杯（120ml）程度です。［引用:アルコール厚生労働省］

個人差はありますが、悪酔いするほど飲まないようにし、休肝日を設けることが大切です。

まとめ

結論として、アルコールと薄毛の進行には個々の原因による違いがありますが、過度の飲酒は薄毛のリスクを高める要因となり得ます。薄毛の進行を予防したいと考えている方は、飲酒量を適切に管理し、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。日常的に髪の毛に良い栄養素を毎日摂取するのは難しい場合もあるかもしれません。そのような場合は、髪の毛に特化したサプリメントを検討してみると良いでしょう。